Carnegie Mellon, The Tepper School of Business, Class of 2005
MBA 合格体験記 > 五ノ坪良輔さん
12 月 25 日、クリスマスの夜、"I regret to inform" で始まる不幸のメールの差出人は University of Virginia アドミッションからだった。前年 Waitlist の結果、不合格。今年は再挑戦で、最高のクリスマスプレゼントが届くと待ちわびていたが、予想を裏切るこの結果。しかも翌日は、Carnegie Mellon University とのテレフォンインタビュー。落ち込むことも許されない状況で、必死の思いでカラ元気を振り絞り、何とか切り抜けたが、その後数日は死亡状態。。。
私は、会社のリストラ計画開始と同時に MBA 受験をめざし、昨年は全滅 (Waitlist 2 校)。今年は TOEFL / GMAT の得点も出ていたので、最高のエッセイを書いて 1st ラウンドで決める、と意気込んで臨んできた。エッセイは某大手コースで早々に完成させ、出願も完了。正月は田舎で合格の喜びをかみしめるはずだったが、現実は厳しいものだった。極寒の冬休みを終え英気を養った私は、金はもう無いが時間はまだある、と再起を決意。2nd ラウンド出願校を選択し、エッセイドラフティングに入ったとき、まなびの大塚さん (まなび代表取締役。University of Virginia 受験の際に OB 訪問した。) を思いだした。まなびは確か、元アドミッションスタッフがエッセイカウンセリングしてくれたはず。しかも格安で。なんでもいいから試してみよう。藁をもすがるとはこの心境を言うのだろうか?
既に別の予備校でカウンセリングを受け、エッセイについてはいいものを書けたという自負があった。その予備校を批判する気は毛頭なく、読ませるエッセイにするための有効なアドバイスも沢山頂き、非常にポジティブでインパクトの強いエッセイが出来たと今でも思っている。にもかかわらず不合格だったのはなぜなのか、その答えを得られるカウンセラーを渇望していた。
さっそくまなびに登録し先生とコースを選択。私が選んだのは以前 University of Virginia のアドミッションスタッフだったという Ms. Alexandra Wellman 先生 (Alix / NY 在住) の MBA エッセイコース。新規登録の先生でまなびの MBA エッセイコースもまだポピュラーではない時期だったから、価格は格安。かつ Deadline 間際の厳しいスケジュール繰りに対応してもらう必要があった。事前にエッセイドラフトと設問を Alix にメールした上で、これを 1 月 30 日までにリバイズ・完成・提出したいことを伝え、第一回目は、Alix の受けた Overall な印象と細かい修正点を Discuss する事にした。
電話を受け軽い挨拶を経た後、最初の質問へ。何よりも聞きたかったこと、それは、「貴方がアドミッションスタッフだったら、このエッセイで私を取りたいと思うか?」ということだった。Alix 曰く、「すごく Impressive なエッセイね。題材はとてもいい。でも少しきつい印象を受けるかもしれない。」 私、「正直に言って欲しい、University of Virginia は私を取るかどうか」 Alix、「少し話してみて、貴方は謙虚でそういう人間ではないことはすぐに分かったわ。でもエッセイから受ける印象は、、、」言葉に詰まる彼女に私自ら助け船をだす。「つまり、"Wise Ass" ってとこ?」「Yes… Sounds a little arrogant…」
薄々気づいていた。本来の自分以上にアグレッシブでインパクトの強いエッセイが書け、それに自信を持っていたため、修正する勇気が無かったのだ。Alix の言葉は、通常の心理状態なら決して気持ちのいい指摘ではない。しかし、なぜ受からないのか知りたいという気持ちが上回り、何の抵抗も無く彼女の指摘が心に入ってくる。このアドバイスを求めていたのだ。決して派手なパフォーマンスではなく、ごく自然な言葉で、アドミッションスタッフの感じる印象を語ってくれることで、非常な信頼をおくことができた。
2 回目、3 回目と回を重ね、ある時は、「最後の Expression は過去に何十回も見てきたわ。悪くないけど違う表現を検討したほうが題材が活きるから次回までに考えておいて。」等々より実際的なアドバイスを頂き、ある時は、「This essay is awesome! 感動した。」と思い切りほめてくれる。Deadline がぎりぎりに迫る中で、全体の書き直しを求められたこともあった。Alix らしく控えめに「Deadline 間近で言いたくないんだけど、、、」と前置きして。こっちにしてもぎりぎりまで僅かでもよくしたい。「気にしない気にしない、次回までにいいの、つくるから。」と約束。そうすると Alix は、「いい仕事したね、こっちの方があなたの Personality をよく表してる。」といってくれる。短い期間だったが Improvement を体感できる中身の濃いレッスンであったとしみじみ感じる。付け加えると、Alix は新居への引っ越しの合間になんとか時間を作ってレッスンを入れてくれた。おかげで、正月明けからスタートして、2 月 1 日までの 2nd ラウンドの Deadline に全て間に合った。Thanks, Alix!
結果として藁にすがるどころではなく、私にとってのベストレッスンとなった。ポイントは、
- なにより元アドミッションスタッフによるカウンセリング。真にアドミッションスタッフの琴線に触れるエッセイにするためには、アドミッションが素直に感じる感想は Applicant として最も知りたいところ。ここは大手校カウンセラーの思い込みとのズレが生じてしまうことがあり得る部分。(特に自分の出願校の元スタッフであればはまる可能性高い。学びには現在 Duke University と University of Virginia の元アドミッションスタッフがいる。)
- 格安の価格体系。コストパフォーマンスは圧倒的に高い。
- フレキシブルなスケジューリング対応。(まだあまり知られていないことと先生が商業主義に走っていないことが理由か?)
- エッセイトピック (特に自らの表現したいこと) を英語で伝える訓練になる = インタビュー対策にも大いに役立っている。
さて、2003 年 6 月現在の私であるが、Alix のアドバイスを受けて作成したエッセイを提出した 2nd ラウンドの出願校 3 校 (Kelley School of Business at Indiana University, Krannert School of Management at Purdue University, and F.W. Olin School of Business at Babson College) に立て続けに合格。Indiana University への進学を決め、渡米準備に追われる毎日である。ところが、7 月 1 日、1st ラウンドで出願して長きに亘り Waitlist 状態であった Carnegie Mellon University からあきらめかけていた合格通知が舞い込んできた! さて、実は Carnegie Mellon には、既提出済みエッセイを Alix のアドバイスに従い修正したものを送っていた。即ち、一回の出願で同じ設問に 2 回答えたということ。これも Alix 効果なのか? いずれにしてもまなびと Alix 無しに、今年の出願は語れないことには間違いない。(唯一の後悔は、University of Virginia からの不幸のメールを受け取る前に Alix に出会えなかったこと。)
まなびの先生方は、決してプロの受験対策カウンセラーとして養成された人たちではない。(かくいう私もAlixの最初の生徒であった。)従い私の場合、大手校のカウンセリングにより全体的な戦略を立てた上で、まなびでエッセイに必要な微妙なセンス(アドミッションの感じる機微というべきもの)を得た。戦略は十人十色であるが、まなびは間違いなく、最後のミッシングピースを埋める重要な役割を果たしてくれたと考えるのである。