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第 3 回 電話カウンセリング


特集:成功する英文履歴書の書き方 > 電話カウンセリング

外資系企業就職対策
Toni Rhorer 先生 Toni Rhorer 先生

米国トップの MBA スクール (Duke 大学 Fuqua School of Business) で MBA 在校生 を相手に履歴書の作成・面接トレーニング等を指導していた Toni 先生が 2004 年 12 月より数回に渡り「履歴書の Professional が語る『成功する英文履歴書の書き方』」というコラムを持つことになりました。このコラムでは金融・会計のバックグラウンドを持つ A さんに Toni 先生の指導の元、英文履歴書を作り上げていく過程を公開したいと思っています。今後英文履歴書を書く予定のある方は必見です!!

第 1 回:まずは履歴書を作ってみよう!
第 2 回:第1回カウンセリング
第 3 回:電話カウンセリング

 前回のメールによるカウンセリングを踏まえ、今回は鈴木太郎さんと直接電話で話しました。いろいろ質問をしていると本人が気づいていないレジュメに書くべき Accomplishment を発見したりします。第 1 回 からのコラムを通じて、より魅力的なレジュメを作っていただければ幸いです。それでは履歴書カウンセリングのスタートです。

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ポイント 1



EXPERIENCE
ABC & CO, Tokyo, Japan                                               2000 - Present
Audit client's financial statement under Generally Accepted Accounting Principles Senior Staff, Audit Department
  • Audited client's financial statement under United States' Generally Accepted Accounting Principles.  Main client is an excellent bank in Japan with stocks listed on U.S. Securities and Exchange Commission.

会社名の真下に仕事内容として "Audit client's financial statement under Generally Accepted Accounting Principles" と書いていますが 1 番目の箇条書きを見ていただくと分かると思いますが伝えたい内容・スキルがかぶっています。1 番目の箇条書きは一番初めに目に留まる所ですので他のスキルを強調しておいたほうが良いと思います。よってこの箇条書きは削除し仕事内容のところに追加しました。

ABC & CO, Tokyo, Japan                                               2000 - Present
Audit client's financial statement under Generally Accepted Accounting Principles: Main client is an excellent bank in Japan with stocks listed on U.S. Securities and Exchange Commission.


 

ポイント 2



 今回は鈴木太郎さんと直接電話で話したわけですが、話の中で入れておきたいものをいくつか見つかりました。一つ目は日々の仕事内容です。鈴木さんに「日々の仕事は何をしているの?」と聞いたところ、「クライアントと毎日のように話し、会計上の疑問点に答えている」ということと「3 - 4 人の Audit チームのリーダーとして日々変わる会計法の社内勉強会を開いている」とのことでした。この 2 つの箇条書きを加えることで採用担当者に対し鈴木さんは Communication Skills, Customer Service Skills, Leadership Skills の 3 つがあることを見せることが出来ます。尚2つの追加する箇条書きは以下の通りです。

追加箇条書き
  • Communicate daily with clients and explain accounting issues when necessary.
  • Manage 3-4 member auditing teams: remain up-to-date on new accounting principles.

 

ポイント 3



  • Evaluated appropriateness of client's assessment of expected losses as a result of borrower's default in the future considering risks, especially credit risk.
    • Analyzed borrower's financial condition, future cash flow and quantity and quality of security for a loan.
    • Negotiated with client to amend inappropriate part of the assessment, as a result client has never been ordered to restate the financial statement so far by authorities.

 ここはこのままでいいと思います。evaluation (客観的に評価), analytical (分析), negotiation (交渉) のスキルがあることを表しています。


 

ポイント 4



  • Audited two mid-sized client's financial statement as an audit team leader, which resulted in an increase in audit fees.

 先頭にAuditedを使っていますね。もうすでに仕事内容の所でAuditedを使っているので伝えたいスキルがかぶってしまいます。出来る限り同じAction Verbを繰り返して使わないというは重要です。どういうポジションにアプライするのかにもよりますが、今回は採用担当者がLeadership Skillsを求めているとし、以下のように書き換えました。

  • Led team of four to audit two mid-sized client's financial statements, which resulted in an increase in audit fees.

※尚 increase in audit fees の所に具体的に増加した金額又は % (金額が小さい場合) を記入するとさらに良くなります。

これ以降は基本的に問題ないと思います。よって現段階の修正事項を踏まえたレジュメは以下の通りになります。

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レジュメをさらに良くするには
  1. 太郎さんのレジュメで出てこないスキル

    会計士という特殊な職業のせいかもしれませんが、イニシアティブをとった経験が足りないと思います。イニシアティブとはキャリアだけではなくボランティア活動も含まれます。数値化できる Accomplishment も少ないと思います。プレゼン能力 (例えばトップマネージメントに何かをプレゼンした) も不足しているように思われます。今後このような機会があれば自ら進んで行うことをお勧めします。

  2. 同じ職種のネイティブに見てもらう

    私はDuke大学の経営修士学 (MBA) でキャリアコンサルタントをしていましたが、私自身お手伝いが出来るのは (1) レジュメをきちんとしたフォーマットに直すこと、(2) 今までどのような仕事をやってきたか、またどのようなスキルを持っているかを引き出すことです。今回のカウンセリングを通じて大分良いレジュメになったと思います。次のステップとして同じ職種に従事するネイティブに見てもらい、各 Accomplishment Statement をより魅力的に見せるにはどうしたらいいかについて意見をもらうことが大切だと思います。

  3. 会社毎に細かい修正をする

    レジュメは提出する会社に応じて細かな修正が必要です。今回出来上がったレジュメは、非常にジェネラルなものに仕上がりました。外資系企業の求人広告を見るとわかりますが求人広告毎に求めているスキル・経験がきちんと書いてあります。特定なスキルを求めている会社に応募する場合はそのスキルがあるということを全面的にアピールできるように書き直さなければなりませんし、特定のプロジェクトに対する実績を欲している会社にはより結果をより数値化し、アピールしなければなりません。これを読んでいただいている皆様の中に私のレジュメカウンセリングを受講されたい方は応募したい会社の求人広告もあわせて送ってくださいね。

    以前私がカウンセリングしたあるカナダ人の MBA 学生がいました。彼は素晴らしい職歴を持っており、レジュメも非常にいいものに仕上がりました。ただ、第一志望として考えていた企業に書類選考で落とされてしまいました。その会社の採用担当者に「どうして落としたのか」と聞いたところ (MBA ではこのようなフィードバックをもらえる仕組みになっています)、「彼は非常に優秀な学生だということは分かるのだが、チームワークの面で欠けていると思った」といっておりました。求人広告を見てみると求められるスキルの一番に "Teamwork" が書いてありました。彼はクラスメートの誰もが認めるチームプレイヤーだったのにです!

  4. 一貫して同じメッセージを送ることが大切です

    会社毎にマッチするレジュメを作り上げることはもちろん重要ですが、レジュメを添付して送るカバーレターにも自分が求められている人材であることを伝えなければいけません。また、面接に呼ばれたとしたら採用担当者から聞かれる質問の答えもそのキーワードに沿ったことを中心に話さなければいけません。ちょっとでも Disconnect があった瞬間に落とされてしまいます。Company Research が非常に大切になります。求人広告のみならず、その会社のウェブサイト・会社案内をじっくり読み、その会社が本当に求めている人材はどういう人かをしっかりと研究しましょう。

  5. 最後に

    私は今まで5年以上キャリアコンサルタントとして大学生・MBA 学生のレジュメ・カバーレターの作成、面接のトレーニングに携わってきました。初めてレジュメを書くというのは大変だと思われがちですが、実際に作ってみると思ったほど手間がかからないと気づく方が多いと思います。また出来上がったレジュメを見てみると自分に足りないスキルが意外とすぐに分かります。

    現在日本の企業に勤めていて将来外資系企業で働く夢を持っていらっしゃる方は早い段階でレジュメを作成することをお勧めします。一度作ってみると自分をより魅力的に見せるためには何をやるべきかが見えてくると思います。また、レジュメは常に更新していかなければなりません。実際 MBA を出た学生のほとんどは年に 1 回レジュメを更新し、より大きな転職機会を虎視眈々と狙っているものです (笑)。


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